火を使わない料理が持つ意味
料理といえば火を通すもの、という前提をローフードスクールルチアは静かに問い直す。浜松市中央区下石田町にあるこの教室では、生の野菜や果物、ナッツを活かした調理を学ぶ。加熱によって壊れやすい酵素や栄養素を、そのまま身体に取り込むことを狙った食べ方だ。小麦粉や乳製品、卵、白砂糖に頼らないメニュー構成が、その考え方を支えている。
とはいえ、生の食材だけで食事が成り立つのかという疑問は当然湧く。ローフードスクールルチアの答えは具体的だ。オニオンチップスやローグラタン、ローベーコン、ローカルボナーラといった中級コースの品々を見れば、生の素材から想像以上に多彩な料理が生まれることがわかる。
段階を追って深まる、対面の学び
ローフードスクールルチアの対面レッスンは、基礎から上級までの三段階で組まれている。基礎コースはロービビンバやローラザニアなど7レシピを30,000円で、中級コースは10レシピを35,000円で、上級コースはローハンバーグや浜松風一口餃子など8レシピを40,000円で学ぶ。いずれも1回2時間30分を3回、材料費とテキスト代を含んだ料金設定だ。
少人数制のため、講師の指導が一人ひとりに行き届く。理論を扱う座学と実際に手を動かす調理実習を組み合わせ、なぜその食べ方が身体に良いのかを理解しながら進める構成になっている。生の酵素を取り込むことで体質の改善が見込め、ダイエットや婦人科系のトラブルへの働きかけも期待できるとされる。段階ごとにレシピの難度と幅が広がり、続けるほど作れる料理の世界が広がっていく。
誰にでも開かれた教室であること
ローフードスクールルチアの受講者層は幅広い。健康と食に関心を持つ20代から60代までが通い、少人数制ゆえに小さな子ども連れの人や妊娠中の人も安心して参加できる。自宅を使った教室には和やかな空気が流れ、初めての人でも身構えずに学べる環境が保たれている。取材のなかで、この開かれた雰囲気がローフードスクールルチアの魅力の核だと感じた。
学びは教室のなかだけで完結しない。学んだ内容を家庭の食卓で再現し、暮らしのなかに定着させることまでを見据えている。だからこそ手間を抑えたレシピや、余った食材を無駄なく使う保存の工夫まで併せて伝える。生の食材の可能性を、日々続けられる形で手渡すのがローフードスクールルチアのやり方だ。


